ジョーカーを投げたのは誰か

先日会社でサブプライムについて話があったので少し。
以下は私の個人的な見解であり、これが正しいというものではなくあくまでも一つの見方にすぎません。

ご存知の通りサブプライムというのは日本における
バブルの不良債権と近似するものである。
先のお話にあったようにローンの返済債務は
債務不履行になった時点で返済の義務が消滅するケースがある。
しかしこれらローンにはもう一つの条件があることが多い。
それが担保として彼らの所有する不動産を差し入れさせ、
不履行の際にはその不動産の権利を取得し売却することで
穴埋めをするというものだ。


ここでサブプライムというものについて。
サブプライムというのはプライムローンに対して生まれた
言葉であり、プライムローンが高所得者向けの
優遇金利であるのに対してサブプライムローンは低所得者向けの
優遇金利ということになる。

ここで優遇という言葉を用いたがもちろん実態はそうとは
言い切れない。
サブプライムローンは本来返済能力がなさそうな人でも
組むことができるが
（その部分は優遇されているというべきなのか）
返済が一定以上滞ると金利が上昇する仕組みになっている。

表向きは一定以上滞ると金利が上昇することで
確実に返済させようという仕組みとのことだが、
その本質は速やかに債務不履行に陥らせるところにある。


このことから何が言いたいかというと
サブプライムローンは始めから破たんするためのものだった。
その代償として正当な手段で不動産の権利を取得し売却することが
できる。そう不動産を得ることができる。

売ってくれと言って簡単に不動産を売るものはそういない。
ましてそれが今後値上がりしそうならなおさらである。
しかし現実はそうならなかった。

銀行は最後の一枚のジョーカーを引かされてしまった。
負けるはずのない銀行の勝利に賭けた参加者たちは
大きな損害をこうむった。
ジョーカーをあたかも安全なように
銀行の勝ちは確実だと言わんばかりにふるまった
格付け機関は皆から非難を浴びた。


ここでひとつ。大きな事件の首謀者というのは
最終的に一番得をした者だという。
皆が高い買い物をしたということは
それを売った誰かがいるということだ。
このゲームにジョーカーというトリックスターを
投げることで利益を得たのは誰か？
それは偶然か？それとも意図してか？

それがはっきりと分からなければ
また同じ歴史は繰り返されるのかもしれない。

以上経済を少しかじった人間の戯言でした。